歯科医の照山裕子先生は、オーラルケアをしている患者さんのSNSを見ていてあることに気が付きました。
「ケアが進むにつれ、SNSで歯を見せた笑顔の写真が多くアップされるようになるんです。表情も豊かになり、楽しそうに毎日を過ごされているのだなと思います。美しい歯になると口元も明るくなって、似合う口紅の色が増えたという方もいらっしゃいますよ」
歯に自信があると思い切り歯を見せて笑えます。笑うと気持ちも明るくなります。そのためには正しいオーラルケアが大切です。
「自宅でもオーラルケアはできますよ。それが歯磨きです。正しい歯磨きのコツは、自分の歯の形や生え方を知り『どの位置に』『どのくらい』の汚れが付きやすいのか、頭の中で立体的に思い浮かべながら磨くこと。一度は歯科医院に行って、自分の歯の特徴をチェックしてみるとよいでしょう。自分の歯をよく知ることができれば歯磨きの効率がグンと上がります。一生懸命に磨いていても、歯や歯茎を傷めていては逆効果です」
歯磨きは「1日のうち、どのタイミングでどう磨くか?」を考えて、工夫することを照山先生は勧めています。
1日3回の歯磨きは「朝・昼・晩」で意識を変えよう
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- 朝
- これから1日が始まるという目覚めの行動として、スッキリすることを目的に歯磨きを。夜にきちんと磨いていれば、長く磨く必要はありません。
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- 昼
- 昼食の食べかすを取るイメージで。汚れがたまりやすい場所が分かっていればより短時間で済ませられます。歯磨きが難しい人はうがいだけでも。
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- 夜
- 自分の歯に合わせた磨き方で、力を入れ過ぎず丁寧に。お風呂に入りながらなど、時間をかけて。少なくとも5分間以上はしっかり磨きましょう。
「正しい歯磨き習慣は、歯に汚れを付きにくくします。そうすれば、生まれ持った歯の白さを長くキープすることや歯の健康維持にもつながっていくのです」
他にも、女性の場合は月経や妊娠などのバイオリズムの変化で歯茎が腫れるなどの影響を受けるため、コンディションに合わせて、歯ブラシの柔らかさを変えるなどの工夫も大切です。
歯磨きは手軽にできるセルフメディケーション
最近、口臭が気になるという女性が増えています。
「食べかすが口の中でバクテリアに分解されたときに、排出されるガスが口臭の正体の一つ。口臭が気になる人は、歯の表と裏だけでなく、かすが挟まりやすい歯と歯の間もデンタルフロスや歯間ブラシでしっかりとケアしましょう」
歯磨きにはもう一つ、プラスの作用が期待できます。
「口の中が適度に刺激されることで、唾液の分泌が活発になります。唾液はバクテリアの増殖を抑えて口臭を防ぎ、歯の汚れを取る効果もあります」
新生活が始まるこの季節、歯磨きを見直し、笑顔に自信を持てる毎日を始めてみませんか?