把握していますか? 自宅付近の“災害リスク”
近年、日本では地震に加え、風水害によるリスクが増えています。みなさんはハザードマップを見たことがありますか。ハザードマップは津波、洪水、土砂災害などで被害が及ぶ恐れのある区域を示したもので、市区町村のウェブサイトなどで公開されています。
2019年、行政は防災情報の伝え方を5段階に分けました。災害に対する「心構えを高める」警戒レベル1から始まり、レベル2になったら「避難行動の確認」を、レベル3になったら「避難に時間を要する人は避難」、4が発令されたら「全員避難」。そして、警戒レベル5は「すでに災害が発生している状態」です。レベル3以上は市町村が発令します。そこで大事なのは本当に今、自分が居る場所が危険にさらされているのかどうかを判断することです。
例えば集中豪雨で、自分の住む市区町村がレベル4になったとします。でも自分の家の周りはハザードマップでは、浸水や土砂崩れの恐れがほぼない地域。一方、避難所に向かう道筋には、危険エリアが広がっていたとします。すると「今は自宅に居るほうが安全なのではないか」と考えることができます。それならば「今夜ひと晩は自宅で待機しよう」と判断することができます。
最近では避難方法の一つとして“自宅避難”が注目されています。一見、矛盾する言葉に思えますが、避難所への退避ではなく、安全であれば自宅で生活を続けることをいいます。災害時の避難所には、家で過ごせない大勢の人が押しかけますので、自宅で暮らせるならそれが一番。そのケースを想定しても「備蓄」は大事です。
残念ながら、警報だけでは1軒、1軒の危険度までは判断できません。私も防災士として、日ごろから災害時の備え方や地域の防災意識向上を目指して活動していますが、安全に関する情報は待っていてもやってきません。今は、自分から情報を取りに行く時代ですので、みなさんも、今すぐハザードマップを確認してみてください。そして、自宅や職場など普段、自分や家族が居る環境の危険度について把握し、災害時どうしたらいいのか、事前に考えておくようにしましょう。