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特集:ご飯を楽しむお米選び

お米は今や嗜好品 ご飯をもっと楽しもう

2019/10/19

新米の季節がやってきました。みなさんは、お米の品種をどんな風に選んでいますか。自分や家族が、食卓でもっと笑顔になる「お米選びのコツ」を、お米マイスターの秋沢毬衣さんに伺いました。

実は、まったく異なるお米の味わい

日本のお米の品種は約800種類。それぞれ「食感」と「味の濃さ」で味わいが異なります。「お米はどれを食べてもおいしいから、何を選んでも同じ」という人は、まず自分の好みを見極めることから始めてみませんか。日本で多く作付けされている5品種を下図の「お米の味わいマトリックス」に青字で記ししています。最近注目されている「ブランド米」のいくつかを黒字で記しています。皆さんが普段食べている品種は、どの位置にありましたか。普段選んでいるお米と、位置の品種を選べば自分好みの味わいと出合えるかもしれませんし、真逆の位置にあるものを選べば、新しい味に出合えることでしょう。

「食感」と「味の濃さ(甘みの強さ)」でチーム分け
お米の味わいマトリックス

「食感」と「味の濃さ(甘みの強さ)でチーム分け お米の味わいマトリックス

食感や味わいの感じ方には個人差があります。試した品種がこのマトリックスでどの位置に入るか、マークしてみてください。家族や自分の嗜好を探るヒントになります。

  1. * 作付けが多い品種は公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構「平成30年産うるち米作付けベスト5」を参考に選定
  2. * 秋沢毬衣さん監修の下、作成

また、1日3食のうち「いつ」「どういう目的」でお米を食べるのか、というライフスタイルから品種を絞り込む方法もお勧めです。朝食にお米を食べるなら、1日の始まりに気分を上げてくれる芳醇な香りが魅力の『いのちの壱』、前日の疲労が残っている朝は、よりあっさりした『秋のきらめき』にすれば、食が進むに違いありません。昼ご飯にお弁当を用意する人は、味が濃く冷めてもおいしい『つや姫』や『いちほまれ』を。「晩ご飯はしっかりと満足感を得たい」という人は、甘さの濃い品種を選ぶのがお勧め。甘さによって血糖値があがると、満腹感が高まるからです。なかでも、もっちりとした食感の『金色の風』は肉料理などのメインのおかずとも相性が良く、風味が豊かです。同じ晩ご飯でも「就寝前は軽めに」という人は、比較的さっぱりとした味わいの『青天の霹靂』を選んでみてはいかがでしょう。粒がしっかりとして噛み応えがあり、しめのご飯にふさわしいお米です。

秋沢毬衣さん

コーヒーやワインのようにお米は選ぶ時代に

ただ、ライフスタイルからお米を選ぶには、各品種の知識が不可欠。お試しをかねて、300g(2合)程度の少量からお米の販売をする店舗も増えてきています。そういった専門店で相談しながら選んでみてください。もっと気軽な方法としては、お米のパッケージに書かれたキャッチフレーズに注目する方法してもいいでしょう。生産者の思いが表現されており、味わいを推測するヒントになるのです。

個性ある品種が出揃い、お米は主食から嗜好品へと変化しつつあります。複数の品種を常備して、コーヒーやワインを選ぶように、その日の食卓に合わせお米を選べば、毎日の食生活がもっと豊かになるはず。
実りの秋にぜひいろいろな「ブランド米」を楽しんでください。

秋沢毬衣さん

監修:秋沢毬衣さん

五つ星お米マイスター、米・食味鑑定士。東京都調布市にある米穀店の株式会社 山田屋本店の6代目。日本女子大学家政学部食物学科卒業後、醸造会社へ就職。退社してのち、欧州留学を経て2015年に家業の山田屋本店に就職。11月23日には、自主企画によるお米の食べ比べイベント「オコメコレクション2019」を銀座三越にて開催予定。

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