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特集:今すぐ脳活を始めよう

毎日の生活で脳を活性化しよう

2020/02/01

クイズやゲームの「脳トレ」「脳活」が人気です。でも、毎日の生活で自然に脳を活性化できたらいいですよね。「1000億個を超える脳の神経細胞は、思考や感情など同じような働きをする集まりに分かれています。わたしは、この集まりを『脳番地』と名づけました。脳番地を意識して脳を鍛えるトレーニングをすれば、さらに効果が期待できます」というのは、医学博士で脳内科医の、加藤俊徳先生です。先生が提唱する「脳番地を意識したトレーニング」について、おたずねしました。

脳の機能を分かりやすく示す「脳番地」

「脳番地とは、同じような働きをする神経細胞の集まり(部位)と、その神経細胞群と関連している機能の総称です。脳は脳番地ごとに、一生成長し続けます」と加藤先生。先生によると、脳番地は8つの部位に分かれています。

脳の機能を分かりやすく示す「脳番地」

いつも同じ生活を繰り返していると、普段は使っていない部分から、脳の機能は衰えていきます。例えば、仕事でいつも難しいことをしているつもりでいても、長年同じことを続けているのであれば、脳が使う場所はいつも同じとなり、どんどんマンネリ化して実は衰え続けているのです。脳を成長させたいのであれば、それぞれ伸ばしたい分野を意識したトレーニングを取り入れていきましょう。

日常動作に新しい動きをプラスして、脳を刺激してみましょう。


思考系脳番地思考や判断に関係

ココを鍛えると

思考力が高まり、幅広く柔軟な情報操作に対応できる。

ココを刺激するには

  • ・1円もお金を使わない日を作ってみる。
  • ・冷蔵庫を開けて、残り物だけで料理を作ってみる。

感情系脳番地感性や社会性に関係

ココを鍛えると

表情が豊かに。他者の心の動きに敏感になれる。

ココを刺激するには

  • ・子どもの頃に食べた、母の手作り料理を再現してみる。
  • ・エプロンを3枚用意して、その日の気分で必ず変えてみる。

伝達系脳番地話すこと、伝えることに関係

ココを鍛えると

伝えたいことを上手に言えるようになる。

ココを刺激するには

  • ・なかなか褒めることがない親や夫を褒めてみる。
  • ・友人を家に招いて、食事をする機会を設けてみる。

運動系脳番地体を動かすことに関係

ココを鍛えると

手先足先の動きがスムーズになり、器用になれる。

ココを刺激するには

  • ・利き手でない方で、歯磨きや拭き掃除をしてみる。
  • ・階段を「1段飛ばし」で上ってみる。

聴覚系脳番地耳で聞くことに関係

ココを鍛えると

一度聞いたことを忘れにくくなり、ミスが減る。

ココを刺激するには

  • ・ニュースを見ながら、アナウンサーの言葉を声に出して復唱してみる。
  • ・カフェに行って、こっそり隣の人の話を聞いてみる。

視覚系脳番地目で見ることに関係

ココを鍛えると

視覚的情報に対する分析力が高まる。

ココを刺激するには

  • ・「数字を見つける」などのルールを決めて、電車の中から外を見てみる。
  • ・人混みで「どんな時計があるか」などテーマを決めて多く探してみる。

理解系脳番地物事や言葉を理解するのに関係

ココを鍛えると

学習能力が高まり、新しい発想が浮かびやすくなる。

ココを刺激するには

  • ・出かける10分前に、鞄の中を整理してみる。
  • ・電車の中で見かけた人の顔色から、心理状態を推測してみる。

記憶系脳番地覚えること、思い出すことに関係

ココを鍛えると

「物忘れ」が減る。一度見たもの、聞いたものを忘れにくくなる。

ココを刺激するには

  • ・地図アプリなどを使わずに、自宅まで長い距離を歩いてみる。
  • ・知人を複数人思い出し、その人たちの共通点を探してみる。

「脳は柔軟性があり、いくつになっても鍛えることができます。要はやるかやらないかだけ」と、加藤先生。ご紹介したようなトレーニングを取り入れて、今日から脳を鍛えてみませんか?

脳内科医 加藤俊徳先生

脳内科医 加藤俊徳先生

医学博士・加藤プラチナクリニック(https://www.nobanchi.com/)院長。株式会社「脳の学校」代表。脳番地トレーニングの提唱者。医師となって以降、乳児から超高齢者まで1万人以上をMRI脳画像を用いて診断し治療。著書『脳の強化書』(あさ出版)、『発達障害の子どもを伸ばす 脳番地トレーニング』(秀和システム)、『部屋も頭もスッキリする!片づけ脳』(自由国民社)など多数。

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