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私目線の経済学

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私の持つ「資産」には、
何があるだろう?

私たちの老後の支えとなる資産。法律では“資本にすることができる財産”のことを指すそうですが、そもそも資産にはどういったものが含まれるのかを知っていますか? 個人の資産に含まれるものや、今後の情勢を踏まえた資産づくりについて考えてみましょう。夫婦で家庭にどれだけの資産があるか把握しておくことが、すてきなセカンドライフへの第一歩です。

よく聞く「資産」って、そもそも一体何のこと?

「資産」とは、お金そのものはもちろん「お金に変えることができるもの」をいいます。現金、預貯金。金やプラチナの積み立てや外貨預金。それに株や債券などの有価証券類。そして保険。個人年金や終身保険など、解約するとお金が返ってくる貯蓄型の保険は資産に含まれます。ただし、掛け捨ての定期保険や医療保険などは資産には含みません。持ち家(土地)や、自動車、絵画や骨董などの美術品やゴルフの会員権、もちろん、地金やダイヤモンド等の宝飾品も資産に数えられます。

さらに50、60代になってくると、親からの相続も現実的になってきます。もしそういった恵まれた立場にある場合は、見込まれる相続財産も資産に含んでよいといえるでしょう。もちろん両親への感謝を忘れずに。

そして、意外に忘れがちなのが“会社の中にある自分のお金”。これは、退職金や企業年金のことを指します。会社員であれば、知らず知らずのうちに社内に資産がたまっていることもあるのです。

一方で、負の資産(借金)があることもお忘れなく。住宅ローンも負の資産に含まれます。どのくらいの残債があるのかも確認して、老後に持ち越さないようにしましょう。退職金で返そうと考えている人も多いようですが、なるべくそれには手を付けず、働いているうちに計画的に繰り上げ返済しておいた方がいいのです。なぜなら、一般的に退職金をもらったタイミングが人生における資産のピーク。貯蓄を取り崩していく長いセカンドライフのために、退職金はなるべく無傷で残しておくのが得策です。
妻がへそくりの存在を夫に伝えていなかったり、夫が収入の全額を妻に渡していなかったりと、お互いの資産の実態を知らないことは往々にしてあると思いますが、中でも伝えづらいのは借金のことでしょう。退職金をもらって、いざバラ色のセカンドライフ! というときに、借金の存在が発覚したら最悪ですよね。

資産をチェックする習慣を付けて、賢く老後の計画を

どのようなものが資産となるのかを理解したら、自分自身の「資産の一覧」を作成してみてはいかがでしょう?
まず、複数の銀行に分かれている預貯金があれば、その額をまとめて把握すること。株式や金などの相場ものは、景気によって価値が上がったり下がったりしますので、その時の時価で計算し記録するようにします。地価も同じく、景気などに左右され大きく変動するので、「リタイア後は、都心の家を手放して地元に帰りたい」「将来は田舎暮らしをしたい」などの計画があるご夫婦は、セカンドライフが視野に入り始めた時点で、自宅の価値をチェックしておきましょう。以前は、不動産業者に聞かなければ分からなかった自宅の資産価値ですが、今は簡単に値段を見積もってくれる検索サイトがあります。マンションの場合は平米数やエリアで確認すれば、ある程度、正確に見積もることができます。一軒家の場合、古い家があることによって逆に価値が下がる可能性もあるので、土地だけの値段を見ておくのが無難です。

資産の一覧ができたら、お正月でも誕生日でも結婚記念日でもいいので、1年に一度、何かの折に、それらを最新の状況に更新するように心掛けましょう。積み立てしている資産があれば、1年間頑張れば基本的には資産が増えているもの。また次の1年も頑張ろうという励みにもなりますし、「もう少し節約して、積立額を増やそうかな?」など、マネープランを見直すきっかけになるからです。

※日本ファイナンシャル・プランナーズ協会の「家計のバランスシート」を活用するのもお薦めです!
https://www.jafp.or.jp/know/fp/sheet/

人工的な好景気の今、すべきことは資産運用よりも断捨離!

人工的な好景気の今、すべきことは資産運用よりも断捨離!

誰もが資産は増やしたいというのが本音でしょう。そこで今の時代にお薦めの資産運用をあえて挙げるのであれば、資産の一部を外貨に変えておくことです。日本の少子化が進むと、中・長期的には国力が下がり、国内経済の発展は望みにくくなるといわれています。若い世代であれば海外に出て働く選択肢もあると思いますが、事前に準備していた人以外で、50代を過ぎてから海外で新しい生活を送るのは尻込みしてしまうのでは? そんなとき、自分自身が海外に出るのではなく、自分の資産を一部海外に出して働かせるのです。相対的に日本の国力が下がれば原則として円は安くなる可能性がありますので、外貨での資産運用は有利になります。また、海外旅行に行ったときには、ドルやユーロなら、両替せずそのまま使う機会もあるでしょう。後は金やプラチナなど、世界情勢が不安定になったときに価値が上がる資産を持っておくのも一法です。

しかし正直に言うならば、今(2019年6月現在)から積極的に運用を始めることは、あまりお薦めできません。なぜなら、景気はやや減速の局面にあるからです。国際的には米中の貿易摩擦など不安材料がありますし、国内的にもオリンピックや万博の開催などで無理やり人工的に作り上げられた好景気がそのまま続くとも考えにくいからです。

それよりもっと、身近な部分に目を向けてみてはいかがでしょう? 例えば、着物やブランド品、古い型のジュエリーなど、持ってはいるけど使わなくなってしまった物を、断捨離がてら手放すのも賢い選択。不透明な時期に無理に投資を始めるよりも、要らなくなった古い資産をどんどん現金化し、老後の蓄えを少しでも増やしておくのです。子どもの独立や夫の定年など、ライフステージの変わり目なら絶好のタイミングですし、50代で早めの終活を始める人も少なくありません。たんすの肥やしとなっている不要な品々を手放すのが、今すぐできる安全な資産運用法。最近は、手軽に売買できるフリマアプリなども増えています。「やっぱり、ちょっぴり知りたい 「新しいお金」のこと」の回でもお伝えしましたが、新しい技術も臆せず利用していくことは、これからの時代を生きる私たちにとって大切なこと。軽やかに次の人生を生きるためにも、古い物は勇気を持って捨てていく姿勢が必要かもしれません。

何はともあれ、ご夫婦で資産の話を共有しておくのは、セカンドライフにおいて、とても大事なこと。知らないままで過ごしていて、万が一、どちらかが急に病に倒れるなんてことがあったら一大事! この機会に資産の棚卸しにもトライしてみてはいかがでしょう?

和泉昭子(いずみ・あきこ)

和泉昭子(いずみ・あきこ)

株式会社プラチナ・コンシェルジュ会長/生活経済ジャーナリスト/ファイナンシャル・プランナー/人財開発コンサルタント。

出版社・放送局を経て、フリーのキャスターに。 NHKを中心に、ニュース・情報番組を担当。1995年CFP ®(ファイナンシャル・プランナー上級資格)を取得して現職。現在はメディア出演や講演活動、個人相談などを通じて、マネー、キャリア、コミュニケーションに関する情報を発信している。

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